KMN48について
物心ついたころからアイドルになりたかった. モーニング娘 に憧れ, AKB48に憧れ, , , 大きいものから小さいものまで数多くのオーディションを受けてきたが当然のごとく結果は厳しいものだった. 私はいつも客席からサイリウムを振る側だった. アイドル達に声援を送り, サイリウムを振り, ヲタ芸で愛を届けながら, いつかはステージからの景色を見てみたいと夢見ていた.
ここまではすべて嘘であるが, 時は経ち2018年4月, 私は熊野寮に入寮した. 理由はもちろんKMN48というアイドルグループがあると聞いたからである. しかし入寮してすぐに, KMN48はもう活動していないと言われた. こんなにも早く, アイドルへの道が途絶えてしまうとは, , , 私は一週間泣き暮らした. だがずっと泣いてなどいられない. 無いのなら作ればよいと思った. なにしろ私は全休だって休講だって自分で生み出してしまうクリエイティブな人材なのだ. 「もともと地上に道はない. 歩く人が多くなれば, それが道になるのだ. 」と魯迅も言っていた. 「熊野寮の魯迅」の称号を掲げて「明日からやる」「明日から本気を出す」とKMN48の再結成を目指した. しかし入寮から二週間にして熊野風邪にかかり萎えてしまい断念した.
ここまでもほとんど嘘であるが, しばらくお付き合いいただけたらと思う. 忘れもしない2019年3月23日, 私のKMN48としての初ステージがあった. ついに熊野寮の魯迅こと私がKMN48を再建した, というわけではなくKMN48に入っていた先輩方が追いコンライブのために復活させてくださったそうだ. そこで経緯はよく把握していないのだがメンバー募集があったようで友人からの熱烈な勧誘や先輩方による一週間にもなる朝昼晩の説得のもと, KMN48に入ることになった. これは私の記憶であるので友人に聞いたら「LINEで誘ったら秒で飛びついてきた」と言うかもしれない. でもこれは私の記憶なので仕方がない. 練習は少し埃っぽい地下室で行われた. 先輩方は優しく振りを教えてくださり, 同期も面白くとても楽しい練習だった. 練習後に鼻をかむと鼻から黒い液体が出てきて, アイドルとはこういうものなのかと感動した. 「アイドルはトイレに行かない」「アイドルは髪が崩れない」などの伝説があるが, きっと私が知らなかっただけで「アイドルは鼻から墨を出す」もそのような伝説の一つとしてあったのだろうと思った. 初ステージは音楽室で行われ, OGやOBの先輩もたくさん戻ってきてくださったためアットホームなものであった. いままで練習時に空いていたセンターのポジションに突然カオナシが現れて踊り始めたのが衝撃であった. また, 初めてダブルセンターの位置をいただいたSKE48「アイシテラブル」では客席から「アイラブユー! 」「愛してる! 」といったコールが聞こえてきて, 自己肯定感が上がった. 人生でこんなにも多くの人にこんなにも大声で愛を叫ばれる機会なんてそうそうない.
ここまでは半分くらい嘘であるが, この情報社会においてどの話が本当でどの話が嘘であるかを自分の力で見抜いていくことは重要な力であると考えるため, あえてこのまま書き進めていく. KMN48のステージは追いコンやくまのまつりなどの寮のイベント, ようせい夏祭りなどの地域の祭りや, NFのような大学のイベントというように種類も回数も多くある. ここからは印象に残ったステージについて少しずつ書いていこうと思う. まずは, 新歓ライブ. 新歓ライブは2019年4月の下旬に行われた. 地下にある薄暗い音楽室で男性5人, 女性5人ほどで有名どころの曲を5曲ほど踊った. やはり熊野寮内で行われるということもあり, かなり盛り上がった. 2020年もやるかはわからないけれどももしあったら見に来てくださるととてもうれしいです(宣伝). さらにKMN48に入ってくださるともっと嬉しいです(宣伝). 次に, ようせい夏祭り. 出町柳よりも北の方にあるようせい児童公園で5人という少人数で3曲踊った. いつもとは違い地域の人や子供たちが多く温かい雰囲気だった. 最後に, NF. 2019年は抽選が当たり吉田グラウンドのステージで一時間踊ることが出来た. 10月ごろから練習が始まり, 48系だけでなくC-uteやモーニング娘 などの曲も踊った. 個人的には, ずっとやってみたかったC-uteの「まっさらブルージーンズ」を周囲の人たちの協力もありKMN48で披露することが出来たのが嬉しかった. NFステージはライトアップで, お客さんもたくさん来てくださって, 今までのステージとは全く違った. ライトやサイリウムがまぶしくて, お客さんのコールや笑顔がすぐ近くにあって, これは, もう, 本当にアイドルをやっているかのようだった. 私の心は, いや, 心だけでなく顔面も, 完全に白石麻衣であった. 橋本環奈でもあった. そして前田敦子でもあったのだ. 自分は人間であり遺伝子レベルで考えれば99.9%は彼女たちと一緒なのだ. これはもう, 自分は熊野寮の白石麻衣を名乗っても許されると思った.
---すっかり熱くなって真面目に書いてしまった. ここまで真面目に書いたのはやはりKMN48への愛があるからであり, また, 私は強く信じているからである. KMN48はいつか国民的アイドルになりMステやレコード大賞, さらには紅白歌合戦に出演するのだと. ここまでは大体嘘であるが---.
(文:ゆーりん)